岩手県北に位置する一戸町(いちのへまち)。2021年に世界文化遺産に登録された「北海道・北東北の縄文遺跡群」の一つ「御所野遺跡」があります。約5,000年前の縄文時代中期、私たちの祖先はこの地を選び、自然と共生・共存したムラを形成、定住生活を始めました。長年の調査・研究によって、竪穴住居は土屋根だったことや墓を中心としたムラづくりをしていたこと、日本各地の品々が出土していることから広く交流もあったことなどが分かっています。また、竹細工や箕(み)づくりなど木・竹・蔓などの材料で編む技術は、現代の工芸品にも繋がっています。町では現在、「2050年二酸化炭素排出量実質ゼロ」の実現に向けた取組みに力を入れています。今も昔も自然とともに生き続けている持続可能な町に、一度来てみてください。きっと、お気に入りの一つになるはずです。
現在は、御所野縄文博物館の学芸員をしています。一戸の方たちは皆、季節ごとの仕事を大切にしています。それは、縄文時代から脈々と受け継がれてきた習慣なのかもしれません。食文化も豊かです。きんかもち、豆しどき、南部せんべいなど、素朴ですが食材を美味しくするための工夫を感じます。
他にも駅から萬代舘に続くレトロな街並みや一戸まつり、とにかく足を運んで体感していただきたいです。